少人数コース紹介
Critical Care Nephrology Course
Critical Care Nephrology Courseは、救急部・集中治療部と血液浄化療法部によって運営されるコースであり、救急・集中治療領域における体液・循環を中心とした全身管理と急性血液浄化療法に関した臨床研究を行う。Generalな知識が要求されるCritical CareとSpecialistとしてのアプローチが要求されるNephrologyが融合した、集学性(multidisciplinary)の高いコースである。本コースでは、臨床研究者(physician scientists)が、臨床における問題を解決すべく、どのようなアプローチで研究を行おうとしているのかが体感できるとともに、以下に述べるように実地臨床に基づいたトピックに数多く接することができる点が特色である。
責任教室・責任者 | 集中治療部 | 矢作直樹 教授 yahagin-eme@h.u-tokyo.ac.jp |
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血液浄化療法部 | 野入英世 准教授 noiri-tky@umin.ac.jp |
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調整委員名 | 集中治療部・血液浄化療法部 | 土井研人 PHS 36800,kdoi-tky@umin.ac.jp |
本コースの構成は以下のとおりである。
1) 論文抄読会 (月1回)
救急・集中治療、血液浄化に関する論文を大学院生・後期研修医とともに選択し、その内容を理解・発表する。学生のみならず、救急部・集中治療部、腎臓内分泌内科の研修医および指導医が出席し、実際の臨床現場の生の声がダイレクトにフィードバックされる点がユニークである。基礎研究の論文を詳細に読み込むことはないが、臨床家が数多くの臨床研究からいかに有益な情報を得ようとしているかが実感できるとともに、質疑応答も気軽にできる自由な雰囲気の中で行われることも強調したい。学生の出席を最優先とし、平日午後5時以降に開催する。
2) 救急部・集中治療部研修医対象のレクチャーへの参加(週1回)
救急・集中治療における病態生理・疾患を解説する研修医対象のレクチャーに参加することが可能である。毎週水曜日16-20時に開催される。このシリーズは、若手指導医がすべての救急・集中治療に関する領域を具体的にかつ包括的にレクチャーするものであり、研修医の中での評判は非常に高く、東大病院での臨床研修における目玉の一つである。学生の参加は自由であり、強制されるものではない。スケジュールは救急部・集中治療部ホームページに適宜アップデートされる。
3) 救急・集中治療および血液浄化に対する疫学研究(個別実習)
現在、救急部・集中治療部と血液浄化療法部の共同研究が複数進行中である。2010年度は国際AKI観察研究であるAKI-EPI studyに参加、学生が主体となりデータ登録を行った。2011年度以降も、米国内科学会日本支部総会・腎臓学会を中心に多くの学会発表を学生が筆頭発表者として行っている。2015年には学生が筆頭著者の原著論文をPublishしている。
Shimizu K, Doi K, Imamura T, Noiri E, Yahagi N, Nangaku M, Kinugawa K.
Ratio of urine and blood urea nitrogen concentration predicts the response of tolvaptan in congestive heart failure. Nephrology (Carlton). 2015;20:405-12. [PubMed]
4) 敗血症・AKI動物モデルを用いた基礎研究(希望があれば対応可能)
新規AKI診断マーカーについて基礎研究で得た知見を臨床検体で検証するといったトランスレーショナル研究を既に展開している(Doi K, et al. Urinary L-type fatty acid-binding protein as a new biomarker of sepsis complicated with acute kidney injury. Crit Care Med 2010 [PubMed])。bench-to-bedsideのトランスレーショナル研究を別の角度から学ぶことが可能である。