学会派遣プロジェクト

アメリカ老年医学会(AGS)に参加して

この度、私は2014年5月15日~17日までの間、フロリダのオーランドで開催されたアメリカ老年医学会(2014 Annual Scientific Meeting of the American Geriatrics Society (AGS))に参加させていただきました。はじめての国際学会への参加、そしてはじめての国際学会での発表、というとても貴重な経験をさせていただきましたので、ここにご報告いたします。

私は一年間、本プログラムのGeriatrics / General Medicine Research Courseに属し、老年病科の石井伸弥先生のもとで指導をうけておりました。コースの活動内容としては、月に一回の勉強会(老年病学について、統計について、学会発表について、など)にプラスして、個別にプロジェクトを進めていくという形でした。私が携わっていたのは、飯島勝矢准教授のもと東京大学高齢社会総合研究機構で只今行っている「柏スタディ」の一環として、高齢者が服用している薬剤について解析するというものでした。統計ソフトSASの使い方を習い、柏スタディのデータをお借りして、高齢者の薬剤服用の頻度やそれに関連する因子の研究を行いました。ご指導のおかげもあり研究は比較的順調に進んだこともあって、石井先生からアメリカ老年医学会に演題を出してみてはどうか、とのご提案をいただいたことがきっかけで、今回発表させていただく運びとなりました。

本年度のAGSはフロリダのオーランドのディズニーランド内にあるWalt Disney World Swan & Dolphin Hotelという直営ホテルでの開催、というアメリカならでのおしゃれな学会でした。今回は国立長寿医療研究センターの鳥羽研二総長、東京大学老年病科の秋下雅弘教授、杏林大学高齢診療科の神崎恒一教授、飯島先生、石井先生とご一緒させていただきました。

アメリカ老年学会は、ラインアップを見ただけでも興味をひくものがたくさんあり、プログラムの内容自体も魅力的なものが多かった印象でした。もっとも印象に残ったのは、geriatric oncology(老年腫瘍学)のセッションでした。将来的にがん医療に携わりたいと漠然に考えており、特に高齢者のがん薬物療法のエビデンスに興味があるのですが、セッションの演者は4名で、老年病科から見たがん医療、オンコロジストからみた老年医学、といった双方向的で建設的な議論がされており、演者もMD Andersonの先生がいらっしゃいました。他のセッションではNurse PractitionerやpharmDなどのパラメデッィクの方も素晴らしい発表をされているのが印象的でした。

私のポスター発表は2日目でした。初めての国際学会での発表ということもあり最初は緊張しておりましたが、目を向けてくださる方はとても親切に教育的な質問をしてくださり、とても勉強になりました。私の場合はコミュニケーションをとったのは若干名で、それも一問一答といった感じだったのですが、近くの海外のmedical studentの人はまるで世間話をするかのように先生と対話していました。後に秋下先生にその旨を話したら、「何か聞いて、というような愛想のいい顔をされると、質問したくなるもんだよ」と言われ、そのような立ち居振る舞いも含めてポスター発表なのだと思いました。アメリカの学会であるため内容は難しいだろうなとは覚悟しており、実際理解しがたい内容もあったのですが、

今回のように高齢者の服薬について深い知識をもっていると、その内容に関しては他の先生の発表も理解でき、何も知識がない状態でいく学会に比べて最先端の議論に参加できているような感じがして、とても面白く感じられました。

その他の面では、上5人の先生方にいつも食事をごちそうしていただき、老年医学に関する談義から先生方の昔の思い出話まで伺うことができ、非常に楽しい思い出になりました。時間が空いた時には、ディズニーワールドも観光することできました。

最後に、このような素晴らしい経験を与えていただき、臨床研究者育成プログラムの方々には大変感謝しております。昨年度も本プログラムの学会派遣プログラムを通して、国内の学会を見学させていただいたのですが、学究的な雰囲気にとても刺激を受け、いつか自分も聞き手でなくプレゼンターに回りたいと思ったのが昨年でした。大半を先生方のお力添えのもとに完成させることができたとはいえ、まさか翌年に自分が国際学会で発表しているとは思いもしませんでした。学生のうちから本場の学会での一流の議論に触れることができて、今後の自分のキャリアにかならずやプラスになると信じています。東大の優秀な先生のご指導のもと、early exposureを体験できるこのプログラムはとても素晴らしいと思いました。

M4 清水啓介

Page TOP